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いまだから読みたい本-3.11後の日本

 先日のTV番組で、坂本龍一が対談していた竹村真一氏の著書、「宇宙樹」を読みたくて、Amazonを検索していたら見つけた、もう一つの本である。坂本龍一氏や数人の編集チームによる本の推薦である。
 「宇宙樹」は在庫がないのか、まだ届かない。が、こちらはすぐに届いた。
 この本の中にも、宇宙樹の中の母なる樹が紹介されている。竹村さんの文章はとても詩的だ。ぐっと引き込まれる。そこに書いてある事は、シラーの詩にも似ている。やられた感があるほど素敵な文章である。

 坂本龍一氏がもう一つおすすめの本で、ダニエル・クインの「イシュマエル」である。こちらは、問答方式のもので、ちょっと一瞬、読みにくいのだけれど。奥が深い。以前、読んだ本で環境倫理学の加藤尚武先生が、倫理学の劇をするのだと、本の中で書いておられたが、こんな内容なのだろうと思う。
 この問答を読んでいると、今の生き方をほんとうに根本的に問い返したくなるし、やはり、人間の生活は改めなくてはならないと思う。

 この他、手塚治虫のアトムの哀しみ、寺田寅彦の津波と人間、管啓次郎の七世代の掟は、考えさせられる。チェルノブイリの祈りも、すごい。
 震災のあと、地震の被害もそうだけど、原子力発電の被害はほんとうに恐ろしい。私は循環型社会を研究しているけれど、放射能汚染がすべてを壊している。
 イシュマエルの世界が可能なのも、自然そのものが汚染されていない事が大前提である。
 私たち人間は、古くて新しい生活に戻らなくてはならないのに、それを阻んでいる。そして、これは今に始まった事ではないのである。ここは死守しなくてはならないところである。人間が侵してきたことは、あまりにむごく、どうしようもないところに来ている。絶望しそうなほどである。
 だけど、これ以上進めてはならない。

 

 
 
 

by okibondg2 | 2012-02-22 04:04 | グッと書物 | Comments(1)  

Commented by akashiahime at 2012-02-22 22:44
竹村真一って検索してみたら竹村健一の息子さんですか?
寺田虎彦の津波と人間を読んでみたいです♪

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